さもとら家のミケ

よく悩む人

家族は無料

支出が重なりかなり情けない財政状況になってしまった。まだローンはない(奨学金はある)。来月1ヶ月どう過ごしたらいいのかわからない。遊びにもいけない、食べるものも買えない。こうなってしまって真っ先に思った対処法が一時的に実家にかえって親のすねをかじる、だ。情けない。私がこんな状況とは知らずに(まだ言ってないので)母と弟がうちに遊びにきた。短い滞在でとりとめもない会話をしただけだったが、なんだか癒された気持ちになった。ここで思った、家族はタダでもらえるエンタメなんだと。私はずっと今日何があったの?テレビは何つける?といった家族の団らんの時間の会話がめんどくさかったし、親戚が集まる席などで話題にされると人の人生をエンタメにするなと内心怒っていた。だが自分もそうだったのだ。母と、弟と話して救われてしまったのだ。「家族がいれば大丈夫」と思ってしまったのだ。なんでいちいち私の行動を報告しなければならないのか、なんで話の種にされて一緒になって笑わなければいけないのかずっと疑問だったが、彼らは純粋に私と話して楽しかったのだ。もちろん家族を作ること、家族で暮らしていくことはお金がかかることだが、継続的に安定して楽しさの供給が得られると思うと安いものだ。世の中の人はこれを求めていたのか。結婚したいと言う人も子供がほしいと言う人も、付き合っている人がいないと不安だと言う人も、私には理解できなかったが求めていたのはこれか。友達関係でも会って話して相談したりすることはできるが、家族と会うより圧倒的に時間と金銭のコストがかかってしまうし、かけないとこちらとしても申し訳ない。いつ会える?どこで会おうか、行きたかったカフェがあるんだけど、という段取りをすっとばして、家に帰れば・朝起きたらそこにいて湯飲み一つで実はさ、と切り出せるのは実質タダである。結婚して友達とまったく会わなくなる人はどれだけ相手のこと好きなんだ、相手とだけいてつまらなくないのかと思っていたが、好きだけでなくコスパがいいからなのだ。世の中の心理にひとつ触れた。